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【予備試験】刑事実務基礎対策まとめノート 大公開

今回は、私が平成30年度予備試験刑事実務基礎の対策のためにまとめたノートを公開したいと思います。

 

 

ただの学生が直前に焦って作成したものになりますから、不正確な部分もあると思いますし、そもそも不十分な内容だと思います。

 

 

少しでも参考になれば嬉しいです。

 

 

1 刑事実務基礎対策まとめノート

第1 過去の出題論点

H29

1.        刑事訴訟法60条の該当性判断

2.        直接証拠と間接証拠の区別

3.        類型証拠開示の請求方法

4.        写真の証拠としての法的性質

5.        証人尋問における被害再現写真の利用

6.        検察官面前調書の取調べ請求

7.        殺意の認定

H28

8.        現場指示と現場供述

9.        公判前整理手続における争点の変更

10.     犯人性の推認過程

11.     主尋問における誘導尋問

12.     証人尋問における書面提示行為

H27

13.     公判前整理手続における当事者の具体的活動

14.     保釈の可否

15.     伝聞法則の適否

16.     弁護人の誠実義務と真実義務

 

第2 押さえておくべき百選の事件

1.        百選40事件(起訴状における余事記載)

2.        百選52事件(必要的弁護)

3.        百選54事件(公判前整理手続における証拠開示)

4.        百選56事件(公判前整理手続後の訴因変更)

5.        百選57事件(公判前整理手続における主張明示と被告人質問)cf新司過去問

6.        百選58事件(公判前整理手続後の証拠調べ請求)

7.        百選68事件(証人尋問における被害再現写真等の利用)

8.        百選95事件(量刑と余罪)

9.        百選96事件(無罪判決後の勾留)

 

 

 

百選54事件

1.        刑訴法316条の26第一項の証拠開示命令の対象

 「刑訴法316条の26第一項の証拠開示の対象となる証拠は、必ずしも検察官が現に保有している証拠に限られず、当該事件の捜査の過程で作成され、又は入手した書面等であって、公務員が職務上現に保管し、かつ検察官において入手が容易なものを含む」と解すべきである。

2.        警察官が捜査の過程で個人的作成したメモでも上記に該当するか。

「本件メモは、B警察官が警察官としての職務を遂行するに際して、その職務の執行のために作成したものであり、その意味において公的な性質を有するものであって、職務上保管しているものというべきである。」

 また、警察官が保管していることから、その指揮監督権と有する検察官は、本件メモを容易に入手することが可能である。

 したがって、証拠開示の対象となる。

 

百選56事件

1.        公判前整理手続後に過失の内容に関して訴因変更をすることは許されるか

 公判前整理手続は、当事者双方が公判においてする予定の主張を明らかにし、その証拠に用いる証拠の取調べを請求、証拠を開示し、必要に応じて主張を追加、変更するなどして、事件の争点を明らかにし、証拠を整理することによって、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うことができるようにするための制度である。

 このような制度趣旨に照らして、公判前整理手続を経た後の公判においては、充実した争点整理や審理計画の策定がされた趣旨を没却するような訴因変更請求は許されないと解すべきである。

2.        56事件の当てはめ

「本件は、公判前整理手続では争点とされなかった事項に関し、公判で証人尋問等を行った結果明らかとなった事項に関し、公判で証人尋問等を行った結果明らかとなった事実関係に基づいて、訴因変更をする必要が生じたものであり、仮に検察官の訴因変更を許可したとしても、必要となる追加的証拠調べはかなり限定されていて、審理計画を大幅に変更しなければならなくなるようなものではない。」

 そうすると、本件の訴因変更請求は、公判前整理手続における充実した争点整理や審理計画の策定という趣旨を没却するようなものとは言えず、適法である。

 

 

百選57事件

1.        公判前整理手続で主張しなかった新たな主張を刑訴法295条1項により制限することが許されるか

(1)まず、本件において、新たな主張は「訴訟関係人のする尋問又は陳述がすでにした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたる時」に当らないのは明らかであることから「その他相当でないとき」に該当するか検討する。

(2)公判前整理手続では、弁護人及び被告人は主張明示義務を負う(316の17)にも関わらず、これを明示することなく公判廷において、新たな主張及びそれを前提とする被告人質問を実施することは、同手続きの趣旨を没却する恐れがある。

そこで、主張明示義務に違反したものと認められ、かつ、新たな主張に関して被告人の供述を求める質問やこれに応じた被告人の供述を許すことが、公判前整理手続を行った意味を失わせるものと認められる場合には、「その他相当でないとき」に当たると解すべきである

 

百選58事件

1.        公判前整理手続後に弾劾証拠請求をすることは許されるか

刑訴法316条の32第一項は、「止むを得ない場合に」限り、新たな証拠調べ請求を認めている。このような制限を設けないと、新たな証拠を出発点に当事者間で新たな主張、証拠調べ請求のやりとりが行われ、公判前整理手続等における争点及び証拠の整理の実効性が損なわれるからである。

 「やむを得ないばあい」の該当性判断に当たっては、同手続きの趣旨を没却することにならないかを考慮して判断するべきである

2.        百選58事件の当てはめ

刑訴法328条による弾劾証拠は、条文上「公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うため」のものとされているから、証人尋問が終了しておらず、弾劾の対象となる公判供述が存在しない段階においては、同条の要件該当性を判断することはできないのであって、証人尋問終了前に当事者に取調べ請求を要求することは相当でない。

 そうすると、同条における弾劾証拠にける取調べ請求については、同条316の32第一項の「やむを得ない事由」があるものと解すべきである。

3.        もっとも、公判前整理手続を実施した事件における弾劾証拠の採否に当たっては、同法316の2に規定する「充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行う」ことの要請から、証拠としての「必要性」についても厳格な吟味を要するというべきである。

 

第3 起訴前弁護活動

1 勾留

(1)      勾留要件の確認

①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること

②以下のいずれかにあたる勾留の理由があること

a)        被疑者が定まった住居を有しないこと

b)        被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること

c)         被疑者が逃亡しまたは逃亡すると疑うに足りる相当な理由があること

③勾留の必要性(明文を欠くが必要とされている)

 

第4 起訴後弁護活動

1 保釈

(1)      保釈要件の確認

刑訴法89条は、保釈の請求があったときには、同条1号から6号までに定められている除外事由に該当しない限り、保釈を許さなければならないと定めている(いわゆる「権利保釈」)。

 また、権利保釈の除外事由に該当する場合であっても、裁判所が適当と認めるときには、刑事訴訟法90条により職権による保釈が認められる(いわゆる「裁量保釈」)。

 したがって、まずは、権利保釈が認めれるか検討して、無理であるならば、最良保釈の検討をすることになる。

(2)      裁量保釈

裁量保釈の許否は、事件の内容、被告人の経歴、行状、前科前歴、家族関係、公判審理の進行状況、被告人の態度等の諸般の事情を考慮して、判断すべきである

 

2 公判前整理手続

(1)      類型証拠開示

開示請求をするにあたり明らかにすべき事項は、①316の15第一項各号の類型的的該当性と証拠を識別するに足りる事項、②証拠の証明力を判断するための重要性その他の被告人の防御の準備のための開示の必要性である。

<開示の必要性の論証例>

対象:未開示の実況見分調書のすべて

理由:Aの犯行を目撃したというBの供述の信用性を判断するためには、Bが犯行を目撃することが客観的に可能な状況であったのかが重要であるため、現場周辺の客観的状況を詳細に確認する必要がある。

対象:Bの未開示の供述調書の全て

理由:Bの供述の信用性を判断するためには、Bの供述の変遷を確認することが重要である

 

3 事実及び証拠

(1)      主要事実・間接事実の意義

主要事実とは、刑罰権の存否及び範囲を定める事実をいう

間接事実とは、主要事実の存否を間接的に推認させる事実をいう

(2)      直接証拠・間接証拠の意義

直接証拠とは、主要事実を直接証明する証拠をいう

間接証拠とは、間接事実を証明する証拠をいう。

 

2 刑事実務基礎対策に有益な書籍

 

最後に、私が刑事実務基礎科目を対策する上で利用した教材をご紹介したいと思います。

 

2冊あります。

 

この2冊は本当に役に立ちました。予備試験受験生なら必携です。

 

 

まず、一冊目は『刑事弁護入門』です。

 

 

 

本書は、実務家向けに書かれた実用書です。
 
しかし、予備試験実務基礎科目を対策する上で、予備試験受験生にも大変おすすめです。
 
 
予備試験の刑事実務基礎科目では、被疑者被告人の身柄解放に向けた書面の作成が求められます。
 
本書では、刑事弁護人の、起訴前の弁護活動及び起訴後の弁護活動が紹介されていて、また、刑事弁護人が作成すべき、書面のサンプルが掲載されていますので、非常に参考になります。
 
 
本書のサンプル書面を参考に、私も事前に論述例を用意しておきました。
 
 
まとめノートにおける類型証拠開示の論述例は、本書を参考に作成しました。
 
 
他にも、保釈請求書のサンプルなども直接予備試験対策に役立ちます。
 
 
また、実用書ですから、将来弁護士になった際にもあなたを助けてくれるでしょう。
 
 
予備試験の受験を考えている方は、ぜひ読んでください。
 
 
 
次に、2冊目は、『入門 刑事手続法』です。
 
 
 
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予備試験刑事実務基礎では、「根拠条文を示した上で、簡潔に説明せよ」という設問が多いです。毎年問われていると言ってもいいかしれません。
 
 
 
上記出題に対応するためには、条文素読が効果的ですが、ひとりではしんどいです。
 
 
本書を読み進めれば、刑訴の条文を網羅的に学習することができます。
 
 
 
 
 
また、ページの余白には、該当する説明に対応した、根拠条文が示されています。本書を読みながら、実際に条文に当たりましょう。条文に強くなります。
 
 
また、本書は、刑事訴訟法の短答対策としても有用です。条文に強くなりたい方におすすめですね。