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【書評】基本書(司法試験)【おすすめ】【随時更新】

今回は、私が今まで書いてきた基本書の書評を

この記事にまとめて見ました。

 

 

 

 

少なくとも基本7科目については、

おすすめの基本書を紹介できるようにしたいと思います。

 

 

 

まだまだ数は少ないですが、

随時更新していこうと思いますので

よろしくお願いします。

 

 

 

 

会社法

 

『リーガルクエス会社法

会社法の基本書として人気なのは、リーガルクエスがあります。ファーストチョイスとしてリーガルクエストを選んだ方は多いかと思います。

 

 

リーガルクエストは、コンパクトに会社法の規律の全体像を学ぶことが出来ます。また、比較的に分量が少ないため、通読に最適です。

 

 
もっとも、本書だけで論文対策に必要な知識を習得するのは難しいかもしれません。(もちろん本書を100パーセント理解してその通り記述できれば、合格答案を書くことは可能です)。
 
 
論点解説は、簡潔にとどめてあり、あくまでも会社法の基本的な規律を習得することに、主眼が置かれているように思われるからです。
 
 
また、ロースクールでの予習に耐えるためには、本書だけでは不十分でしょう。
 
 
 
とはいえ、会社法の基本書を初めて買う人なら、
間違いなくリークエです。
 
 
会社法 第4版 (LEGAL QUEST)
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伊藤 靖史 大杉 謙一 田中 亘 松井 秀征
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会社法』(田中亘)

 

 
本書は、数字でわかる会社法等数々の名著を執筆されている田中亘教授による基本書になります。
 
 
 
数字でわかる会社法
数字でわかる会社法
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田中 亘 飯田 秀総 久保田 安彦 小出 篤 後藤 元 白井 正和 松中 学 森田 果
有斐閣
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まず、ページ数は782であり、かなり分厚いです。そのため、通読用には不向きかもしれません。
 
 
 
もっとも、論点に関する深い記述もあり、わからない場合に辞書的に使うのに適しています。私の場合、ローの予習は基本的に本書のみで事足りています。
 
 
 
また、本書は分厚く、かつハードカバーであることから、一見すると難解な基本書であるかに思われると思います。
 
 
 
しかし、読んでもらえればわかりますが、文章自体は大変わかりやすく、初学者が0から学ぶことが可能なようになっています
 
 
 
 
さらに本書の良いところを言うと、膨大な数のコラムにあります。
 
 
 
2-5 908条1項及び表見規定をめぐる解釈問題
4-6 定時株主総会はなぜ6月開催なのか
4-26 瑕疵連鎖に関する論点
5-6 会計上の利益・費用とキャッシュフロー
6-12 デット・エクイティ・スワップ
 
 
 
等々たくさんのコラムがあります。これだけで本一冊分の価値はあると思います。
 
 
 
 
 本書には、確かに司法試験ではおよそ問われることのない高度な内容を幾分か含んでいます。しかし、実務家となった暁には、本書の恩恵を受けることが多くなるのではないでしょうか
 
 
 
私も実務家になった際にも使えると考えて本書を購入しました。本書を購入してからは、いつも会社法で分からないところがあれば、まず本書で調べます。そうすると、ほぼ100パーセント解決されますね。それくらい、会社法の問題点を網羅していると思います。
 
 
 
手元の基本書では、解決できないことが多いと感じている方には、本書を購入することを強く勧めます。
 
 
 
 
また、初めて基本書を買うという方で、司法試験の受験を考えてる方にもおすすめします。
 
 
 
リーガルクエストも優れた基本書ですが、前述したように、ロースクールの授業や司法試験対策には不十分なところがあると思います。
 
 
 
もっとも、通読するのは大変ですから、予備校本等をお持ちでない方は、まずはリーガルクエストがいいかと思います
 
 
 
会社法
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田中 亘
東京大学出版会
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民法

 

民法を学ぶ 家族法

本書は、親族法・相続法の基本書(基本書というよりは、教科書といった方がいいかも)です。
 
 
家族法分野で、基本書の購入を検討している方は少ないかもしれません。なぜなら、論文試験で出題される可能性が低いと考えている方が多いからだと思います。しかしながら、近侍の司法試験を分析してみると、かなりの頻度で家族法の理解が問われています。特に今年(H30)の司法試験では、遺言が設問の一つとして、出題されました。家族法分野を学習してこなかった方には難しい出題になったと思います。
 
 
 
このように、家族法分野の学習の必要性は高まってきています
 
 
 
それでは本書の書評に移ります。
 
 
 
本書の特徴としては、初学者がつまずきやすい箇所について、かなり丁寧かつ具体的に解説が施されている点が挙げられます。
 
 
基本的な親族法・相続法の規律について、かなり詳しく書かれています。
 
 
コラムでは、論文対策として不要だけど、教養として知っておくべき知識や、最新の学説の動向にも言及されています。
 
 
また、家族法分野では、近年重要判例が登場してきていますが、第3版に収録されている最も新しい判例は、最高裁平成28年12月19日であり、近年の判例もフォローされています
 
 
他方で、かなり丁寧な説明に加えて、具体例も豊富に掲載されているため、やや分量が多いです。ページ数で言えば、607ページあります。家族法分野の教科書としては、分厚い方だと思います。
 
 
もっとも、本書は通読するのに適していると思います(通読するべき基本書です)。
 
 
個人的には、家族法分野の基本書として、まず第一に読むべき基本書だと思います。
 
 
理由は、繰り返しになりますが、非常にわかりやすいからです。
 
 
家族法分野は、条文だけを追いかけていてもよくわからないものがあります。このような条文に遭遇した際に、自己流解釈等をしてしまう可能性があります。
 
 
 
本書を読んでいれば、まず誤解して理解してしまう可能性はないです。それだけ学生がつまずきやすい点を丁寧に具体的に解説されています。
 
 
 
そのため、家族法の初めの一冊に選ぶべきです。かなりおすすめです。
 
 
 
また、本書の文体は、口語体が使われている部分が多いため(特にテーマごとの導入部分)、窪田教授の授業を聞いているような感覚を味わうことが多いです。この点が、本書の一番の魅力かもしれません。その読みやすさ、面白さから窪田教授のファンになる人も多いと思います。わたしも、本書での学習にハマったため、特に必要ではなかった窪田教授が書かれている不法行為法 -- 民法を学ぶ 第2版も購入してしまいました。
 
 
 
それくらい、窪田教授の文章には、読者を惹きつけるものがあります。
 
 
 
したがって、一気読みが可能です。気づいたらこんな時間になってしまっていたとか、そういう体験も基本書ですることが出来ます。
 
 
 
 
 
ぜひ窪田教授には、他の分野の基本書も執筆してもらいたいですね。本当に、切に願っています。
 
 
 
以上、家族法オススメの基本書『家族法 民法を学ぶ』(窪田充見)の書評記事でした。
 
家族法 -- 民法を学ぶ 第3版
窪田 充見
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金商法

 

『基礎から学べる金融商品取引法

 

本書は「基礎から学べる会社法」の姉妹書に当たるものであり、「基礎から学べる会社法」と同様に、金商法をできるだけわかりやすく優しく、かつ体型的に理解できるような教科書です。
 
 
基礎から学べる会社法 第4版
近藤 光男 志谷 匡史 石田 眞得 釜田 薫子
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本書のコンセプトは、金商法の基礎基本を体系的に習得することにあるものの、「発展学習」というコラムでは、難しい問題点や議論の争いの多いところなどを解説がされていて、中上級者にも役立つ内容となっています。
 
 
さらに、重要なキーワードは、青字で強調されているため、斜め読みがしやすくなっています。
 
 
加えて、図や表が多用されている等、初学者の理解を助ける工夫が随所に見られます。
 
 
これから金融商品取引法を勉強するという方には、おすすめです。
 
 
また、会社法の理解を深めたいと考えている方にもおすすめです。
 
 
会社法判例でも、先物取引といってデリバティブ取引が問題となることがありますが、そもそもデリバティブ取引がなんなのか、どういうメリットデメリットがあるのかを知らないと、判例を理解することは難しいと思います。
 
 
金商法は、このような取引を規制している法律ですから、金商法を勉強すれば、当然デリバティブ取引を理解できますし、ひいては会社法の理解も深まります
 

 

 
基礎から学べる金融商品取引法 <第4版>
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刑法

基本刑法

今回は、基本形法の書評です。
 
基本刑法は、日本評論社から出版されている刑法の基本書(教科書)であり、総論と各論の2分冊となっています。
 
 
 
本書の特徴としては、大きく三つあります。
 
一つ目は、多数の短文事例が散りばめられており、ケースメソッドを体現しているという点です。
 
 
二つ目は、平易な文章で書かれている点です。
 
 
三つ目は、共著であるという点です。
 
 
以下、この二つの点について具体的にコメントしていきたいと思います。
 
 

ケースメソッド

 
 
刑法は他の科目と比較して論点数が多いい科目です。また、近年の司法試験は、多論点型の出題がされる傾向にあります。
 
多論点型の出題の場合は、とにかく論点を網羅的に拾うことが高得点獲得の条件となります。一方で、判例と学説との対立など深い理解がなくても、自説の立場から事案を処理することが出来れば十分です。
 
 
(もっとも、平成30年度の出題では、これまでの傾向とは異なり、刑法の本質的な理解が問われているようでした。しかし、本年の出題は批判もあるところであり、私は個人的にこれまでの司法試験の傾向を中心に取り組めばいいと考えています)
 
 
自説の立場から事案を処理する能力をつけるためには、論点が問題となる典型的な事案を頭に入れておくことが大切となります。事案を見れば、すぐ論点を想起出来るような状況にしなければ、限られた時間の中で、多論点を処理することは困難です。
 
 
その点、本書は多数の豊富な短文事例が掲載されていることから、上記の対策を実行することが出来ます。
 
 
 
またこの短文事例は、予備試験の口述対策でも有用です。予備試験の口述試験では、ベースとなる事例に変化をつけた質問が連投されます。
 
予備試験の口述対策としても有益でしょう。
 
 

平易な文章

 
 
これ以上にわかりやすい基本書はないんじゃないでしょうか。
 
めちゃわかりやすいです。
 
 
その分分厚いですけど、何言っているか分からんという事態はほとんどありません。
 
 
 

共著であること

 
 
本書を共著であることから毛嫌いする人がいますが、私個人的には気にならないですね。
 
 
共著だから一貫性がないとかはないと思います。その辺りの批判も念頭に編集されていると思いますし。
 
 
単著で、本書と同程度に分かりやすく、ケースメソッドを採用している基本書ってあるんでしょうか。現状ないと思いますよ。
 
 
共著が気になるのは分からなくはないですけど、刑法の基本書でこれ以上におすすめ出来るものはありません。
 
 
基本刑法I 総論 第3版
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基本刑法II 各論 第2版
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憲法

基本憲法

「基本憲法」は、初めに読む憲法の基本書としておすすめです。

 

分量としても適量であり、初学者でも通読することが可能となっています。また、平易な文章で書かれているので前提知識が無くとも、理解することが可能となっています。

 

他方、憲法を一通り学習した方にもおすすめです。本書にはコラムとして、事例問題が収録されています。法学既習者にも有益な内容となっています。

 

憲法は、試験科目の中で一番書き方に悩む科目です。

コンパクトな判例解説は、現行の司法試験対策として有益でして、本書に記載されている程度のコンパクトに凝縮された判例解説をストックしておくと試験で役立ちます。

 

私も直前期は、試験で判例を引用出来る用に、本書の解説を参照していました。

 

基本憲法I 基本的人権
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